「腸ゲンキで心も体も健康に美しく!」は、誰もが願うことですね!
実は、きれいなお肌や健康な体を保つために大切なのは、腸内フローラバランスなんです!
最近は腸内環境のために「ヨーグルトを毎日食べているから大丈夫!」という方も多いのでは?
ヨーグルトは腸内フローラのバランスを整えてくれる食べ物なんですが、腸内にはとどまってくれません。
数日で便となって排出されてしまうんです。
また、腸によいものを食べていても同時に腸内フローラを悪くするもの食べたり、行動をしていると・・・
せっかくの努力も帳消しになるのです。
腸内フローラを改善するには悪いものや習慣を見直し良いものを摂り入れることが大事ということ!
免疫力をアップするために、まず、腸内フローラの仕組みからみていきたいと思います。
腸内フローラとは
人の腸内に存在する、たくさんの種類の細菌は種類ごとに固まって腸壁に生息しています。
その様子がまるでお花畑のようとのことで腸内フローラ(腸内細菌叢ちょうないさいきんそう)と名付けられました。
腸内には、1000種類以上100兆個もの腸内細菌が存在しているといわれています。
人の身体には腸内だけでなく、皮膚や口の中
喉や気管支、肺、鼻の中など様々なところにも、たくさんの常在菌たちがいて守ってくれています。
中でも常在菌が一番多いのが腸内だということ!
私たちの健康にとっては、常在菌の存在は欠かせないものということですね。
では腸内にはどのような菌がいるのでしょうか?
腸内細菌の内訳はこちら。
善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7
圧倒的に日和見菌(ひよりみきん)が多いですね。
では善玉菌の働きからみていきましょう。
善玉菌の働き
善玉菌は人の体内で、良い働きをする菌のことを指し
ビフィズス菌と乳酸菌群(乳酸桿菌、腸球菌)の総称。
人のお腸内の善玉菌で90%を占めるのはビフィズス菌です。
乳酸菌は10%となっています。
ビフィズス菌優勢になが人の腸内の特徴で他の動物では乳酸菌が優位になります。
人はビフィズス菌が優位で活躍してくれることで健康を守るこことができるのです。
- 病原菌が腸内に侵入することを防ぐ。
- 腸内で悪玉菌が増殖することを防ぐ。
- 腸の運動を促して便秘になるのを防ぐ。
- 免疫機能を刺激して生体調整のために働く。
悪玉菌の作用
人の健康にとって有害に作用する菌のことでウェルッシュ菌・大腸菌・ブドウ球菌・緑膿菌など腐敗菌群の総称です。
大腸菌は、ビタミンの合成や感染症を防ぐ作用もあるので一概に悪玉とは言えない面もありますが。
大腸菌が増え、腸内フローラのバランスが崩れると腸内のタンパク質を腐敗させ、有害物質を作り出します。
有害物質は、アンモニア、硫化水素、アミン、インドール、スカトール、フェノールなどです。
腸内環境が安定しているときの便は悪臭のないバナナ状だといいます。
便のニオイがきついときは、悪玉菌がふえているのです。
その結果、便秘や下痢、肌荒れ、さらに老化や免疫力の低下から生活習慣病にかかりやすくなります。
健康長寿の人の腸内は、悪玉菌が少ないのだそう。
また、悪玉菌が少し増加するだけでも、腸内細菌バランスがくずれ、健康に影響が出ることがわかってきました。
- 腸内のタンパク質を腐敗させて、様々な有害物質を作り出す。
- 下痢や便秘・肌荒れなどを起こしやすくする。
- 腸内フローラを悪化させ、生活習慣病にかかりやすくなる。
- 悪玉菌は加齢とともに増加し、老化の原因になる。
加齢でも悪玉菌が増加し
腸内フローラバランスが崩れがちに!
長寿な方の腸内は腸内フローラバランスがとても良いそうです。
このことから食生活を改善し、悪玉菌の増殖を抑えることが健康長寿の秘訣と言えそうですね。
日和見菌の働き
日和見菌は、腸内細菌の70%を占めています。
日和見菌は、バクテロイデスやユウバクテリウム、嫌気性連鎖球菌、クロストリジウムなどの嫌気性細菌のことを指しています。
普段は中立ですが、悪玉菌が多くなると悪玉菌の味方をし、減るとおとなしくなるという傾向です。
時々「日和見感染」が起こったニュースを耳にしますね。
「日和見感染」とは、本来は無害だった日和見菌が病原菌に変わり、肺血症・腎炎・膀胱炎・などが発症するものです。
病気の治療やストレス、老化などによって、腸内フローラのバランスが崩れることで、免疫力が低下することが原因となっています。
感染症を防ぐには、免疫力を低下させないこと。
そのためには腸内フローラバランスを整えることが大切ですね。
- 腸内の最優秀菌として大人の腸内フローラ作りに貢献する。
- 悪玉菌が繁殖すると、同調する。
- 腸内フローラバランスが崩れると、日和見感染の原因になる。
60~70%の免疫細胞が、腸に集まっているといいます。
では、腸内フローラバランスを整えるためにはどのようにすればいいのでしょうか?
腸内環境を整えるために良いことから、みていきたいと思います。
腸内フローラに良いこととは
腸内フローラを善玉菌(ビフィズス菌)優勢にすることが、健康を守る秘訣ですね。
腸内にやさしい食品はこちら。
- 乳酸菌生産物質
乳酸菌を発酵させて生成される物質。
長期間発酵させたものを、加熱処理して錠剤にするとヨーグルトよりも大量に、乳酸菌を取り入れることができます。乳酸菌は、死菌でも効果は変わらないので病気の後や、積極的に予防したいときは乳酸菌生産物質のサプリメントを摂るといいですね。
- 生理活性ペプチド
アミノ酸同士が2個以上つながったものを『ペプチド』といいます。
身体の生命活動をささえる、生体を調節する機能をもっています。
神経伝達物質やホルモン、成長因子、サイトカインなどとして働きます。
脳神経の活性や血圧の調節、糖や脂質の代謝促進にも機能しています。
免疫系を整えたり、酵素やホルモンの働きを助けるなど健康にせいかつするためにかかせないもの。
- 植物フラボノイド
植物に含まれる色素成分です。
赤ワインやいちごなどに含まれるアントシアニン、緑茶やカカオに含まれるカテキン、大豆のイソフラボンなど。フラボノイドは活性酸素を除去する抗酸化作用、抗菌作用、免疫活性作用、抗がん作用があることがわかっています。
- DHA・EPA
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は魚介類に含まれる必須脂肪酸の一種です。
身体の細胞膜を構成する主要成分で、人の体内では作ることができないので食べ物から摂取する必要があります。
EPAは血管を柔らかくしたり中性脂肪や、悪玉コレステロールを減らす働きなどとても大切な栄養素です。
DHAは脳の血液脳関門を通過できる数少ないもので、脳細胞の活性化に重要な成分です。
- キチンキトサン
キチン・キトサンはカニやエビの甲羅に含まれる食物繊維の一種。
コレステロールの吸収を抑えたり腸内では老廃物を排出するキレート効果があります。
- レシチン
レシチンは卵黄や大豆などに含まれる脂質の一種です。
身体の全ての細胞に含まれる重要な栄養素です。
記憶力アップや学習効果、アルツハイマー病、認知症予防、動脈硬化予防、肝機能を高める働きや美肌効果などが認められています。
健康を保つために、欠かせない成分ですがレシチンの目標摂取量3,000mg~6,000mgに対して一日1,000mg以下しか摂取できていないのが現状です。
レシチン不足は、風邪をひきやすくなることや脳疲労や不眠・頭痛などを起こしやすくなったり老化を早めたりしてしまいます。
卵や大豆など身近な食品に多く含まれるので、食生活の改善にくわえて、サプリメントなどで摂るといいですね。
- CPP
CPP(カゼインホスホペプチド)は牛乳に含まれるたんぱく質のカゼインを酵素分解して生成される成分。
腸内でのカルシウムの吸収を高める働きがあります。
カルシウムは胃で分解され小腸に達すると、酸性からアルカリ性に変わってリン酸イオンと結合し不溶性のリン酸カルシウムになってしまいます。
CPPとカルシウムを同時に摂取するとリン酸との結合が抑えられ、カルシウムが吸収されやすくなるのです。
閉経後の女性や高齢者の骨粗しょう症予防に最適ですね!
ご紹介した成分は、どちらも身近な食べ物に含まれているものですね。
ですが中々必要な量がとれないこともあります。
不足しているなと言うときや、積極的に病気などを予防したい場合はサプリメントから摂取するのが効果的です。
その場合は、特定保健用食品(トクホ)マークがあるものを選ぶと安心ですね。
※特定保健用食品についてはこちらに
からだの生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、血圧、血中
のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えたりするの
に役立つ、などの特定の保健の用途に資する旨を表示するものをいいます。
出典:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin86.pdf
ヨーグルト
腸内環境の改善のためにヨーグルトを食べる場合は、量が少ないと、菌数が確保できないのです。
なので、健康効果を考えると一日最低200mℓのヨーグルトを食べる必要があります。
ヨーグルトなどの場合、1mℓあたり1000万個の乳酸菌が含まれているので、200mℓで20億個の菌を取り入れることができますね。
ですが、日本の乳酸菌飲料やヨーグルトには糖分がふくまれていることが多く、血糖値を上げたり乳脂肪分は、コレステロールを上げるリスクがあります。
なので、ヨーグルトを摂る場合は無糖で無脂肪のプレーンヨーグルトを一日200mℓ摂るのが目安です。
またサプリメントや健康食品(特定保健用食品)などで、ビフィズス菌や乳酸菌を摂ることもできます。
乳酸菌は、死菌でも生きた菌でも腸内ではその効果はかわらないとのこと。
乳酸菌の菌体成分自体が腸内フローラのバランスに好影響を与えているのではないかと言われています。
オリゴ糖
オリゴ糖の「オリゴ」はギリシャ語で「少ない」という意味。
ブドウ糖や果糖などの単糖が2~10個ほど結合したもので、砂糖や麦芽糖、乳糖も含まれます。
ですが、腸内フローラによいと注目されているのはガラクトオリゴ糖・フラクトオリゴ糖・乳果オリゴ糖・イソマルトオリゴ糖・大豆オリゴ糖・キシロオリゴ糖・ラフィノースなどで、単糖が3~10個結合したもの。
同じ仲間の2つの糖類ですが、体内での働きには大きな違いがあるのです。
砂糖や麦芽糖、乳糖など・・・消化吸収されて活動エネルギーに!
オリゴ糖・・・消化されずに大腸に届きビフィズス菌のエサに!
砂糖や麦芽糖、乳糖などの二糖類は、他の食品と同じように消化されて、吸収されエネルギーに変わります。
一方、オリゴ糖は消化酵素で消化されずに
大腸にまで届きます。
そして、腸内のビフィズス菌のエサになるのです。
するとビフィズス菌は、オリゴ糖をエサにして増殖し、乳酸や酢酸・酪酸などを生成。
乳酸や酢酸・酪酸は、腸内環境を酸性にたもつことで、アルカリ性の環境を好む悪玉菌の大腸菌やウェルッシュ菌が増殖するのを抑えてくれます。
ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌から生成された物質は、血液にのって全身をめぐり、健康な体を保つために働きます。
さらに乳酸や酢酸の働きで、蠕動運動が活発になり、便通も促進。
その結果、腸内フローラバランスが整います。
また、オリゴ糖は砂糖と比べてカロリーは半分、甘味は60~70%と低カロリーなのも魅力♪
そんなオリゴ糖は、ゴボウ・タマネギ・アスパラガスや各種の豆類・甜菜(砂糖大根)・大豆の加工品(きな粉、味噌)などに含まれますが量は少ないです。
なので、腸内フローラを整えるには食品を原料にしたサプリメントや健康食品(特定保健用食品)から摂ることが大切です。
オリゴ糖は砂糖の代わりにも使えます。
我が家では毎朝バナナにリンゴやグレープフルーツをつかったジュースにオリゴ糖を加えてとりいれています。
また、熱を加えてもその効果は変わらないため普段のレシピやコーヒー、紅茶、煮物の味付けケーキなどのスイーツにも低カロリーで血糖値が上がりにくいのでオススメです。
食物繊維
食物繊維を毎日しっかり摂っているとビフィズス菌の菌数が多く欧米的な食生活をしていると、ビフィズス菌や日和見菌が少ないことが分かっています。
最近は食の欧米化が進み、日本人のほとんどの人に食物繊維が足りない状況になっています。
そんな食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つがあります。
不溶性食物繊維・・消化されずに大腸に届き便のかさを増し老廃物を排出。
水溶性食物繊維・・腸内でゲル状になり血糖値や栄養素の吸収をゆるやかに。
食物繊維は、血糖値の急上昇を抑えたり腸内のコレステロールや胆汁酸の吸収もおさえる働きがあります。
国が進める食物繊維の目標摂取量は、男性20グラム以上、女性18グラム以上。
山梨県棡原(ゆずりはら)のご長寿さんは、食物繊維を一日28.8グラムも摂っているそうです。
不溶性食物繊維の多い食べ物は、穀類・野菜類・豆類などの植物性食品全般。
水溶性食物繊維の多いものには、果物・海藻類・こんにゃく・里いもなどがあります。
身体全体に作用し腸管免疫を刺激するもの
こちらはバイオジェニックスという考え方です。
「身体全体に作用することで、腸内の免疫機能(腸管免疫)を刺激したり、コレステロール・血糖値・血圧を安定させたり、活性酸素を減らしたりすることで、生活習慣病や老化を防止する食品」のことを指しています。
出典:「人の健康は腸内細菌で決まる!」より
身体全体を元気にしてくれて、腸内フローラバランスにも良いのは次のようなものです。
- 乳酸菌生産物質
- 生理活性ペプチド
- 植物フラボノイド
- DHA・EPA
- キチンキトサン
- レシチン
- CPP
では、腸にとって悪い事とは?
腸内フローラにとって悪いこととは
腸内フローラバランスを整えるためには悪玉菌を増やさないことが大切です。
そのためには、まず悪玉菌が増えてしまう原因を知ることからですね。
悪玉菌が増える原因は、こちら。
- 加齢
- 肉類など動物性タンパク質の過剰な摂取
- ストレス
- 便秘
- 冷え性
- 薬の日常的な摂取、抗生物質、ステロイドホルモン剤など
- 食物繊維の少ない食事
- 夜型の生活・睡眠不足など
- 激しい運動
- 腸に炎症を起こす恐れのある油脂
- 食品添加物
- 食べすぎ
こんなにもたくさんあるのです!
では、詳しくみていきましょう。
加齢
善玉菌のビフィズス菌は、
中年期から老年期になると徐々に減ってしまうということがわかっています。
そうすると、悪玉菌がビフィズス菌より多くなることも!
老化がすすむと、腸が慢性的な炎症状態になるので腸内も炎症をおこしやすくなるのです。
そのままにしていると腸内フローラバランスが崩れ、免疫力が低下してしまいます。
中年期以降からは、腸内環境を整えるため特に食生活やストレスのケアなどに注意が必要ですね。
肉類など動物性タンパク質の過剰な摂取
肉類などの動物性たんぱく質を過剰に食べると、悪玉菌が増えることがわかっています。
トラなどの肉食獣の腸内には、悪玉菌が多くすんでいます。
雑食動物の人や、サル、トリ、ハツカネズミハムスターなどの腸内は、善玉菌と日和見菌が多く生息しフローラを作っています。
悪玉菌が優勢になり繁殖すると、腸内では硫化水素、アンモニア、インドール、アミンなどのいろんな毒素やガスが生成されることに!
これらの毒素は、がん・糖尿病・動脈硬化・腎不全・心筋梗塞・脳血管障害・アレルギー・神経障害などの原因になっているのです。
ストレス
ストレスをうけると、自律神経が乱れから腸内環境のバランスが崩れ、悪玉菌が増殖してしまうことに!
そして悪玉菌が増えると、腸にある腸管神経系が乱れ、さらに交感神経や副交感神経のバランスが崩れるという悪循環になってしまうのです。
その乱れが脳にまで伝わるとさらにストレスが悪化したり、ホルモンの分泌にまで影響を及ぼします。
「病は気から」ということわざがありますね。
ストレスをうけて心理的に心配事があると、腸内環境が悪化し免疫力を低下させることで病気にかかりやすくなってしまうのです。
便秘
便秘になり、老廃物がされない状態が続くと腸内環境は悪化!
腸内は、悪玉菌が好むアルカリ性に傾き、悪玉菌はどんどん増殖してしまいます。
すると、腸内では腐敗が起こり病気の原因になる有害物質を作りだします。
アンモニアや硫化水素、アミン、インドール、スカトール、フェノールなどですね。
便秘の状態が続くと、さらに腸内環境が悪化し血管を通して、毒素が全身を駆け巡りがんなどの生活習慣病を引き起こしてしまうことに!
冷え性
身体の冷えも、腸内フローラバランスが乱れる原因になります。
理想的な健康体温は37℃くらいですが、最近では、低体温(36℃~35℃)の人が多くなっています。
37℃の体内では、腸内フローラバランスが良く腸内酵素が元気に活動してくれます。
体温が37℃より低くなると、血流が悪くなり腸内環境が乱れ、自律神経にも影響があらわれることに。
その結果、腸の蠕動運動が低下し悪玉菌が増えやすい環境となってしまいます。
反対に体温が1℃上がると、免疫力は30%上昇すると言われています。
腸内フローラのバランスを整え、健康を守るために、まず体温を上げたいですね!
薬の日常的な摂取、抗生物質、ステロイドホルモン剤など
高齢になると、何かの薬を日常的に飲んでいる人の割合は、70%にもなるといいます。
日常的に薬を飲んでいる人の腸内では、ビフィズス菌や腸内の炎症を鎮める微生物が減少しているとのこと。
抗生物質の摂取も、腸内フローラバランスを崩してしまい、クロストリジウム、ディフィシルなどの悪玉菌が増加するのです。
その悪玉菌が作り出す毒素の影響で、さらにビフィズス菌が減少し、慢性的な下痢状態の原因になっているのです。
「抗生物質を日常的に飲むと、腸内環境が悪くなって下痢をする場合が多い」と知り合いのお医者さんからもお聞きしました。
それは抗生物質が、腸内の善玉菌のビフィズス菌を減らし、悪玉菌を増殖させてしまうからだったのです。
治療のため、お薬は必要ですが、腸内環境には良くない影響があることを考えて腸によいものも取り入れたいですね。
食物繊維の少ない食事
野菜に含まれる食物繊維には水溶性と不溶性があります。
水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになるので、ビフィズス菌などの善玉菌を増やしてくれます。
一方、不溶性食物繊維は消化されずに腸内に届き、水分を吸収しカサを増して、老廃物を便といっしょに排出するのです。
野菜の少ない食事を続けていると、食物繊維が不足し、便秘がちになり腸内環境が悪化。
その結果、悪玉菌が増えることに。
キャベツやレタスなどの葉物野菜だけでなく、土の中にできる、大根、ニンジン、ゴボウなどの根菜類も食べることが大切です。
夜型の生活・睡眠不足など
夜型の生活や、睡眠不足の状態は自律神経バランスのくずれから腸内フローラバランス乱れてしまいます。
空腹時や夜の間は、モチリンという消化管ホルモンが十二指腸より分泌されます。
モチリンは、蠕動運動をうながして、残っている食物や剥がれ落ちた細胞などを、胃 → 小腸 → 大腸 →肛門へとおくり排出させて、次の食べ物を迎える準備をするといいます。
老廃物を排出するため休みなく働いてくれているということ!
そんなモチリンが分泌されるには2つの条件があります。
1つは、胃の中が6時間以上空腹であること。
2つは、副交感神経が優位でリラックス状態であること。
夜型生活で睡眠時間が不規則でモチリンが十分に分泌されないと便通も不規則になり、腸内細菌バランスが崩れがちに!
便秘と睡眠の状態は密接に関連があり便秘が続くと、睡眠障害になったり、昼間の眠気が強いこともわかってきています。
激しい運動
アスリートなど激しいスポーツや訓練を、する人も、腸内環境の乱れに注意が必要です。
それは、血流の変化が関係しています。
トレーニングや訓練で体を動かすと筋肉や心臓に血液が集中し腸に供給される血液量が減ってしまうのです。
そうすると、蠕動運動が低下し腸内フローラバランスが乱れることに!
さらに、激しい訓練やトレーニングをすると運動によるストレスを抑えるためコルチゾールというホルモンが分泌されます。
コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンです。
「抗ストレスホルモン」といわれ健康にとって欠かせないものですが、激しい運動をすると過剰に分泌されるのです。
激しいトレーニングや訓練は、身体にとって大きなストレスということですね。
その結果、筋肉を作るアミノ酸の働きを妨げたり、免疫機能の抑制が必要以上に作用し腸内環境の悪化につながってしまいます。
激しい訓練やトレーニングの後は、乳酸菌やビフィズス菌のサプリメントや食物繊維の多い食事でケアするといいですね!
腸に炎症を起こす恐れのある油脂
手軽に食べられることからファストフードや加工食品がたくさん食べられていますね。
ファストフードや加工食品にはオメガ6系という種類の油脂が使われることが多いです。
さらに加工食品には、体に有害なトランス脂肪酸も含まれています。
トランス脂肪酸は、肉類や乳製品など微量に含まれることもありますが、油脂から加工される課程で、生成される場合もあります。
食生活の変化から最近では、オメガ6系脂肪酸やトランス脂肪酸の過剰摂取が心配されています。
オメガ6系脂肪酸は体に必要なものですが過剰な摂取は、炎症を起こし腸内フローラバランスを壊してしまいます。
トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすことが報告されています。
一方、炎症を抑えるといわれるのがオメガ3系脂肪酸で、植物性α-リノレン酸、動物性では、EPA(エイコサペンタエン酸) DHA(ドコサヘキサエン酸)です。
オメガ6脂肪酸の摂りすぎを控えて、オメガ3系脂肪酸を積極的に摂取するように改善しましょう。
食品添加物・農薬
普段、食べている食品には食品添加物や農薬が含まれているものが多いですね。
野菜・果物などの生鮮食品にも無農薬でないものは、農薬などの化学薬品が付いていることが多いです。
加工食品には、様々な添加物が含まれています。
食品添加物には、次のようなものがあります。
合成着色料・合成保存料・発色剤・酸化防止剤・着粘安定剤・人工甘味料・乳化剤・香料・着粘安定剤・凝固剤・防カビ剤・漂白剤・殺菌料など。
どれも体に有害ですが、合成保存料のソルビン酸や安息香酸は、細菌の繁殖を抑えます。
殺菌料もそうですね。
これらの添加物を食べると腸内細菌を衰弱させ、そのバランスを崩してしまうことに。
また、発色剤の亜硝酸塩とソルビン酸を一緒に摂ると、細胞の突然変異をおこしたり腸内フローラにダメージを起こすことがわかっています。
発色剤の亜硝酸塩とソルビン酸の添加物は、特にハムやソーセージ、魚肉の練り製品などの加工品にたくさん含まれています。
合成保存料や発色剤の含まれていないものを選んで食べたいものですね。
食べすぎ
健康でご長寿な皆さんは、腸内環境バランスがよく、善玉菌が優勢です。
そして、みなさん「腹八分目」「腹七分目」に食べているといわれます。
また、カロリー制限をすると乳酸菌の1種ラクトバチルス菌など善玉菌が増えることもわかってきました。
反対に、食べすぎると腸内フローラバランスを悪化させてしまうのです。
週に2回ほど30%くらいのカロリー制限をすることで、病気予防や長生きなどが期待できるとされています。
ですが過激な断食をすると、善玉菌にも食べ物が入らないため、悪玉菌が優勢になってしまいます。
何事も、適度にすることが大切ですね。
まとめ
健康な毎日をおくるためには、何よりも腸内フローラのバランスを保つことが大切ですね。
そのために、腸にとって良いことと悪いことを、みてきました。
インフルエンザなどの感染症や、がんや生活習慣病の予防をするためには腸によいものだけを取り入れるだけでは不十分ということがわかりました。
食生活を完全に改めるのは時間がかかるかもしれませんが、まず一つでも取り入れてみるといいですね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
1.光岡知足(2011)「人の健康は腸内細菌で決まる!」技術評論社
2.自然治癒力を考える会(著)帯津良一(監修)(1998)「病は腸で闘え!」㈱光人社
3.辨野義己(2016)「100歳まで元気な人は何を食べているか?」三笠書房